先日、30年以内の南海トラフ地震の発生確率が、20~50%、ないし60~90%以上と発表されました。これを一言でまとめると、「よくわからない」ということになってしまいますが、それだけ地震の予知は難しいということでしょう。
一方、室戸岬の所々には、ヤッコカンザシというゴカイの仲間の巣の化石が見られます。この巣は生きているときは海岸にあるものですが、昔のヤッコカンザシの化石は現在の海岸線より高いところにあります。これは室戸の大地が地震により隆起したことを示しているのですが、どうやらおよそ1000年に一度の頻度で、海岸線を大きく持ち上げるような巨大な地震が起こっていたらしいことがわかりました。
この室戸岬を大きく持ち上げた地震の正体は、「普通の」南海トラフ地震を大きく上回る巨大な南海トラフ地震ではないかとも、南海トラフ地震に連動した、室戸岬周辺が特に大きく動くような地震によるのではないかとも言われています。
将来、地震がいつ起こるのかはわかりませんが、過去にどのように地震が起こっていたのかも実はよくわかりません。しかしいつかは起こるものですから、常に準備をしておきたいものです。
11月23日(日・祝)の展示解説「室戸岬の大地の変化」についてはこちらをご覧ください。