地質時代の⽣物の遺骸(いがい)や残された⽣活の記憶が地質中に保存されている場合をいう(1万年以降の完新世は省く)。ただし、⽂字からくる印象と異なって、シベリアの凍⼟から発⾒されるマンモスの⾁(エスキモー⽝に与えると⾷す)も化⽯である。また、動物の⾜跡・はい跡・排せつ物なども化⽯(⽣痕化⽯)である。地質時代の決定に役⽴つ化⽯を⽰準(標準)化⽯というが、離れた地域の地層の同時性を証明(対⽐)するに役⽴つ。取り扱う化⽯によって、古植物学・古無脊椎動物学・古脊椎動物学及び微化⽯などに⼤別される。地質年代学の主流は⼤型化⽯から微〜超微化⽯に移り、また古⽣物分類学から、現⽣⽣物学的による古⽣態学・古⽣物地理学の研究が、化⽯研究分野の世界的⾵潮の主流となってきている。
珍しい化石
佐川町で発掘された化石
モノチス
展示場所/主展示場
サンゴ化石
展示場所/主展示場
珍しい化石
三葉虫の「脱皮殻」
展示場所/研究史コーナー
ファコブス・オルレンシス
分類:節⾜動物三葉⾍類
時代:古⽣代デポン紀(約3億7000万年前)
産地:ポリビア共和国 ラバス州
アカドパラドキシデス
展示場所/研究史コーナー
産地:アフリカ モロッコ
三葉⾍は、カンブリア紀からペルム紀にいたる3億年以上にわたり全世界の海に⽣息していた。その⼤きさは3mmから70cm以上におよぶが、そのほとんどは2cmから7cm程度の⼩動物であった。アカドパラドキシデスは、カンブリア紀からオルドビス紀に繁栄したレドリキア⽬に属し、同⽬最⼤種の三葉⾍である。
“鳥ノ巣石灰岩”の
代表的なウニ化石「キダリス」
展示場所/主展示室
“⿃ノ巣⽯灰岩”の代表的な化⽯のひとつに、太い棘をもったウニ・「キダリス」がある。化⽯として多産するのは棘の⽅で、⽯灰岩中に断⾯で現れることが多い。⽯灰岩中から分離することは難しいが、⾵化部分や⺟岩が泥質の場合取り出すことができる。
棘の化⽯にくらべ殻(本体)の化⽯はきわめて少ない。
産出してもひどく変形していたり部分化⽯が多い。それは、いくつもの板で構成された殻は、堆積後の圧⼒に弱いことや、死後ほかの動物や⽔流などにより分離されやすいためである。
大型草食恐竜
「ディプロドクス」の大腿骨
展示場所/ジオファンタジックルーム
「ディプロドクス」は、ジュラ紀に出現した⼤型の草⾷恐⻯で体調は27メートルにもなった。しかし⼤型化しすぎたためか、⽩亜紀になると⼤型の⻯脚類の勢⼒は衰え、しだいに⼩型化した種類が出現する。
右側に展⽰の⼈間(⾃分)と⼤腿⾻(太もも)と⽐較してみよう。
化石の雑学
1化石とは?
2三葉虫とは?
三葉⾍は、およそ5億7千万年前のカンブリア紀初め頃に出現し、およそ2億5千万年前のペルム紀末に絶滅した、ウミサソリと同じく絶滅した節⾜動物の⼀グループである。かつてはカブトガニの先祖とも考えられていたが、現在は否定されている。
三葉⾍は、1万種以上が出現した⾮常に多様なグループで、⽰準化⽯となっている三葉⾍も多い。⼤半の三葉⾍は海底を這って⽣活していたが、中には遊泳⽣活を送っていたものもいる。その⼤きさもいろいろあって、5mmに満たないものから70cmをこす巨⼤なものまである。
三葉⾍の語源は、縦⽅向に3つの部分に区分される⽯灰質の外⾻格に由来する。三葉⾍は成⻑に伴ってこの殻を脱⽪するので、⼀⽣に間に多数の部品を化⽯として残すが、逆に⾔えば完全な姿の標本は、その個体の死を意味する貴重な標本である。三葉⾍は視覚を得た最初の動物の⼀つでもある。三葉⾍のほとんどは優れた複眼によって、360度の連続視野を持っていた。この外⾻格の殻や複眼は、三葉⾍の⽣きていた時代には彼らを襲って⾷べるような動物が存在していたことと関係している。
3アンモナイトとは?
アンモナイト類は、イカ・タコ・オウムガイといった海棲軟体動物の頭⾜類の仲間である。オウムガイ同様に、アンモナイトは部屋に別れた硬い殻を分泌するが、オウムガイよりもむしろイカ・タコに近縁とされる。アンモナイト類は、およそ4億1千万年前のデポン紀に出現し、およそ3億5千万年後の⽩亜紀末に絶滅した。
このアンモナイトが、化⽯として理解されたのは18世紀後期になってからのことであって、それまでは⻑らく外観の芸術的で幾何学的な美しさなどから鉱物と思われ、「エジプトの太陽神(アンモーン)の⽯(〜イト)」と呼ばれていた。「アンモナイト」の名前はこれに由来する。