佐川地質館

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地球の名探偵 江原真伍

科学の世界は、推理小説に少し似ています。刑事が少しずつ証拠を集めて事件の真相に迫るように、研究者もまた、証拠を一つ一つ重ねながら自然の謎を解き明かしていきます。

江原真伍(1884–1964)も、そんな「地球の名探偵」のひとりでした。

江原博士は、佐川盆地の地層や化石を筆頭に、四国の大地に刻まれた地層を丹念に調べ、さらに四国の南に広がる「四万十帯」と呼ばれる地層の研究にも取り組みました。その成果から、太平洋の海の底が四国の下にもぐりこんでいるという画期的な考えを、1940 年に発表しました。それは、現在私たちが知っている「大陸プレート」と「海洋プレート」の動きを思わせるものでしたが、当時はまだ「大陸移動説」ですら世界に十分受け入れられてはいませんでした。江原博士の調査は、のちに地球科学を大きく変えるプレートテクトニクスという学説への証拠の一つになったのです。

江原博士たちの発見の積み重ねによって、地質学者はついに「大陸が動く」という地球の真相にたどり着きました。そして今もなお、プレートテクトニクスをもとに大地の歴史を推理する研究は続いているのです。

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