何かで見たことがあるけど、どこかが違う。上の展示中の石をご覧になって、そう思われたのではないでしょうか。この石はラパキビ花コウ岩といって、日本では高知県でしかみられない珍しい石です。それゆえ日本地質学会によって、「高知県の石」とされています。 花コウ岩そのものは、全国的にそれほど珍しいものではあ りません。一般には「御影石」と呼ばれている石も花コウ岩の仲間で、よく墓石や建築材料として使われています。しか し、普通の花コウ岩と違って、ラパキビ花コウ岩の表面には、 カリ長石と呼ばれる鉱物が、斑点の模様のように散らばっています。 高知県では花コウ岩の仲間が見られる場所は限られており、足摺岬周辺でしか見ることができ ません。しかし、この足摺岬の花コウ岩が、日本ではここにしかないラパキビ花コウ岩なのです。 土佐清水ジオパークのご厚意で、ラパキビ花コウ岩を地質館に寄託していただきました。現在この標本を展示中ですので、ぜひ見に来てください。