「佐川の誇りを集めた佐川地方化石標本収集所が佐川に出来れば佐川を世間に広告する機関ともなる」
牧野博士が、その手紙でこのように佐川の化石博物館の設立を提案したのは、昭和27年(1952年)のことでした。佐川で化石が出ることは古くから知られており、弘化3年(1848年)には貝石山からアンモナイトの化石が発見されています。また、明治16年(1883年)に佐川町を初めて訪れたナウマン博士も「珍しき動物の 海底に沈めるもの 再び輝かしい日の光のもとに持ち出され 人類はここに定住する(桜井国隆訳)」と、化石と人々が共存していたことを詠んだ掛軸を佐川に残しています。平成4年(1992年)に佐川地質館が開館したのは、このような江戸時代からの歴史の流れの結果であり、その中に牧野博士も関わっているのです。
そこで地質館も、今年から牧野富太郎生誕祭(4月20日(土)21日(日))にて無料開館します。この機会に、ナウマン博士の掛軸、牧野博士の手紙、そして佐川の誇りである化石をご覧になって下さい。