酒造りで重要なのは水。水にはミネラルを多く含む硬水と、あまり含まない軟水があります。硬水をもとにしたお酒は濃醇になり、軟水をもとにしたお酒は淡麗になります。例えば酒所として有名な兵庫の灘では、火成岩である花崗岩質の砂と縄文海進によってもたらされた海のミネラルが混ざりあった地層を流れる硬水から、濃醇なお酒が造られています。一方、佐川盆地は海から遠く離れており、その地層も1億年以上も古い堆積層からできています。このため佐川の水はミネラルをあまり含まない軟水であり、この水から淡麗なお酒が造られています。私たちの足元の岩石も、またお酒の味に関わっている―そのようなことを思い浮かべながら、今年も酒蔵ロード劇場をお楽しみいただければと思います。