最近では N-Box やアルファードなど、車は何年かごとにモデルチェンジを繰り返しています。しかし、車の基本的なデザインやイメージは「キープコンセプト」として維持されることが多く、大きな変更は控えられています。そのため、車のオーナーでなければ、変更点に気がつかないほどの小さな違いにとどまることも少なくありません。
地質館では、開館当初からカブトガニの飼育・展示を行っています。さらに、ドイツ産の約1億5千万年前のカブトガニの化石も展示していますが、その姿は現代のカブトガニと驚くほど似ています。まさにカブトガニは、1億年以上にわたり「キープコンセプト」で生き続けてきた生物と言えるでしょう。 しかし、細かく観察すると、カブトガニも長い年月の中で少しずつ進化してきたことがわかります。同じように、地質館も外観こそ 30 年前からほとんど変わっていませんが、展示内容はカブト ガニや車と同じように少しずつ進化しています。
次回の展示解説では、カブトガニの小さな進化について詳しくご紹介する予定です。この機会にぜひ地質館に足を運び、カブトガニと地質館の進化をじっくりとご覧ください。