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ブログ「高知城—歴史と自然史が交わる場所」

高知城—歴史と自然史が交わる場所

高知城

高知県民に親しまれている高知城は、江戸時代の姿をほぼそのまま残す貴重な城です。この名城が建てられた大高坂山は、地球の歴史を物語る「黒瀬川帯」という特異な地質帯に含まれています。

黒瀬川帯は、本州・四国・九州を貫く細長い地質帯であり、古いものでおよそ4億年もまえの変成岩や蛇紋岩、花崗岩、そして堆積岩などが入り混じった地層です。佐川町では国道33号線に沿った形で分布しています。この地帯の特徴は、もともと異なる地域で形成された古い岩石が、地殻変動の過程で現在の場所に運ばれてきたという点です。これは、プレートの移動や大陸の衝突という、地球規模の力によってもたらされた壮大な変動の痕跡です。

黒瀬川帯は、数億年という時間を経て現在の形になり、その上に築かれた城は、400 年余りの歴史を人々と共に刻んできました。地球の歴史と人間の歴史は、スケールの異なる時間軸を持ちながらも、高知城という場所で交わり、私たちにその物語を語りかけている、「時間の交差点」なのです。

佐川地質館では、今年の 5 月からこの黒瀬川帯についての特別展を計画しています。私たちの足もとの大地の記録を、ぜひご覧になってください。

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